コラムレコードの知識

注文の仕方、買い方、用語の説明

2020.01.09

ホームページをオープンしてから、いくつかのご質問をいただいています。
特に買い方がよくわからないという方もいらっしゃいました。
こちらでオーダーの仕方や用語の説明を記載したいと思います。

まずは以下について考えましょう
・7inchか12inchか
・1枚か2枚組
・どのようなセットが作りたいか

もしも市販でよく発売されているような、歌詞カードのないシンプルなセットを低価格で希望の場合はカスタムオーダーではなくパッケージオーダーを見てみましょう。
こちらは全ての工程をお任せいただき、細かい仕様を選べない代わりに価格が抑えられていて、小ロットでも比較的お得な価格で国内プレスのレコードを作ることができます。

パッケージオーダーでできること

・レコードだけが欲しい(ジャケットなどは自分で用意すると言う方)
・歌詞カードなどは不要又は自分で用意するのでジャケットとレコードが欲しい(歌詞カードを自分で入れると言う方)
・インナースリーブにクレジットや歌詞を印刷したレコードを作りたい

パッケージオーダーでできないこと

・テストプレスを送って欲しい/カッティングに立ち会いたい
・ドーナツ盤の7inchを作りたい/重量盤の12inchを作りたい
・ジャケットの加工を指定したい/ジャケットの本紙校正などを行いたい
・歌詞カードの作成や投げ込みを頼みたい
・包装を変える(蓋つきPP/シュリンク等)

 

上記のできないことを希望の方はカスタムオーダーを見てみましょう。
こちらはパッケージオーダーほど価格が低くない代わりに、納得いくまで細かく仕様を選ぶことができます。

カスタムオーダーでできること

・テストプレスの送付/カッティングの立ち会い/ラッカー盤の送付
・ドーナツ盤7inchの作成/重量盤12inchの作成
・選べるジャケットが多く加工や校正の有無を細かく指定できます
・歌詞カードや帯、DLカードの作成ができます※DLカードは近日サービス開始
・お客様が作った歌詞カードやステッカーを発送時に同梱したり貼り付けて送ることができます
・包装を選ぶことができます(蓋つきPP/シュリンク等)

カスタムオーダーの仕方

①インチを決める
②組数を決める

上記の二つを決めると詳細仕様を選ぶことができます。それぞれの詳細項目を必ず全てクリックして進みましょう。

③カッティング
カスタムオーダーではお任せ以外に立ち会いや遠方の方の為にラッカーの送付サービスを行っています。
スムーズな進行の為には迅速なスケジュールのすり合わせや、チェックへの返答が必要ですが、納得のいくまでレコード制作の工程を味わうことができます。国内有数のカッティングスタジオで行われるカッティングは、お任せでも十分な内容をお約束しています。いただいた音源との鳴き合わせはもちろん、レコードの音質や溝の幅に合わせた精巧なカッティングをお約束します。

④スタンパー
スタンパーはサウンドの要です。カッティングで作られたラッカーをメッキ加工し、レコードプレスをする為のスタンパーを作成します。仕様の選択肢はありませんが、必ず選択して進みましょう。

⑤プレス
12inchの場合は通常盤と重量盤を選択できます。7inchの場合はスモールホールとドーナツ盤を選択が可能です。12inch、7inch共に通常盤でも市販のものよりも重く、重量感のある仕上がりです。さらにテストプレスの有無を選ぶことができます。

《テストプレスについて》
テストプレスはプレスした際に音飛びやひどいノイズがないかをチェックしていただくものです。もしもこの時点で音飛びやひどいノイズが検出された場合は、原因がどこにあるのかを究明し、然るべき工程に戻り、カッティングをやり直したり、スタンパーを再作成することがあります。しかし、これまでカッティング由来のミスはほとんど見られず、本プレスの温度調整やスタンパーの磨き込みで解決するものがほとんどです。再生環境や再生機器によっても体感が変わるので、お客様の好みで、もう一度カッティングがしたい場合などは、別途費用と納期を頂戴する形となります。テストプレスはカッティングエンジニアも聞いて確認をしていますので、そちらでの判断で、問題がない場合は、テストプレスでのお客様からの細かい調整には応じることができない場合があります。もしも仕上がりのイメージを確認したい方はカッティングへの立会いをお勧めします。

⑥レーベル
レーベルはレコードの中心に貼られている紙のことです。シールだと思っている方も多いようですが、こちらは粘着性のない紙を、プレスの力で圧着したものになります。プレスの熱でインクが溶け出すことがないように、プレスの前にレーベルを専用のオーブンのようなもので焼き、乾燥させます。この工程で、デザインによっては色味に変化が出ることがあります。TUFF VINYLでは弊社のWarmToneにぴったり合うレーベルを作成している海外のファクトリーにレーベルの製造を依頼します。焼きの工程で色味に変化が出る為、本紙校正などは行わず、JPGでの印刷データ確認のみとなります。ホワイトレーベルも選択できますが、ご自身で一枚一枚絵を描かれる方や、テストサンプルとして作られる方向けとなっています。現在選択肢は海外レーベルのみですが、カラーや校正の部分も必ず選択して進んでください。

⑦ジャケット
アウタースリーブとも呼ばれるレコードのジャケットを選ぶことができます。カスタムオーダーのもっとも選択項目の多い部分になります。ジャケット無しを選択された場合はインナースリーブ に入った状態で納品されます。ジャケットは国内産と海外産を選ぶことができます。

《海外E式ジャケット》
海外は900枚くらいまではプライスバリューがあります。国内製のジャケットにはない独特な風合いを持ち、紙もやや分厚いですが、ジャケットに微細な個体差が出ることがあります。色はオフセットCMYKの4Cのみ。モノクロのデザインでも価格は変わりません。また校正も印刷データの確認のみとなっており、仕上がりを厳密にチェックすることはできません。しかしながら、現在世界中に流通しているレコードと大きく変わらないクオリティですので、価格的なバリューと合わせて海外製を希望する方も多いいです。選べる仕様は以下の三つです。

・海外製シングルスリーブ(7inch)
マチのないスタンダードなジャケット。中央をレーベルが見えるように穴あきにすることも可能です

・海外製シングル3mmスパイン三方背スリーブ(7inch/12inch)
マチがついていてレコードが取り出しやすいジャケット。歌詞カードなどのインサートが入っても十分に取り出せます

・海外製ゲートフォールドスリーブ(7inch/12inch)
二枚組向けの見開きのジャケット。大きなグラフィックや歌詞、クレジットの記載する場所があることから豪華版として一枚のレコードを入れる為に選ばれることもあります。

《国内E式ジャケット》
国内は1000枚を超えるロットの場合は海外よりも安くなってきます。国内特有の繊細で発色のいい仕上がりです。弊社の分厚いレコードとの相性も良く、やや薄めの厚紙ですが、フィット感も抜群で持った感じはどしっと重量感があります。国内製なので、本紙簡易校正や本機校正といった有料サービスと合わせることで、仕上がりをイメージすることも可能です。国内製のジャケットの需要の高まりを受けて新しいラインナップを随時追加していく予定です。

・国内製シングルスリーブ(7inch/12inch)
背のみマチがあり、天地にはマチのないタイプのジャケットです。

《加工とは》
印刷物の表面の仕上げのことを指します。加工によって価格が変わります。海外においては以下を選ぶことができます。

・セミグロス(ニス)
薄くニスを引いた加工です。艶だしと艶消しの中間です。価格もお手頃でもっともスタンダードな加工です。

・マット
艶消しの加工です。CDなどのジャケットでも時折見られるサラサラした手触りの加工です。商品と商品の擦れ跡などが残りづらく指紋なども残りにくいので、高級な仕様として用いられます。デザインによっては艶がない為にやや暗くなって見えることがあります。反射でデザインが見えなくなることがありません。

・グロス
現像した写真のようにピカピカした艶のある加工です。指紋がついても拭き取りやすく、デザインの発色を強調します。こちらは写真の発色を強調したい場合などに用いられることが多いです。光を当てると反射します。紙にコシを出すこともできるので、若干分厚くなったような印象を受けることもあります。

・リバースボード(海外)/ノーコート(国内)
加工を施さないジャケットです。紙そのもののゴワっとした手触りを残します。海外の場合は印刷面の裏面を利用。国内の場合は専用の無加工の厚紙を利用します。海外では価格が高く、国内の場合は価格が安くなります。印刷はデザインによっては少し暗めになります。光の具合などで見え方の変化しやすい加工でもあり、紙の質感を残したい方にオススメです。格安で国内ジャケットを作りたい方にもオススメです。

・クラフト(海外のみ)
薄茶色のクラフト紙をに印刷します。デザインによっては色が出にくい為モノクロなどの印刷にオススメです。

《校正について》
校正とは印刷物を製造前に確認してから製造に入ることを指します。もしデータに修正がある場合有料のケースもありますが、弊社では無料でデータの差し替えに応じます。海外はJPGデータのみでの確認が基本となります。

・JPG画像確認/TIFF画像確認
印刷機に流し込むデータの確認です。仕上がりの確認ではありません。無料で行うものとなっています。切り取り線などを含んだ配置や指定している色などを画像データで見ていただくことができます。

・本紙簡易校正
実際の紙に、インクジェットプリンタで印刷したものを一点送付いたします。印刷機やインクは本来のものとは違いますが、実際に印刷した際のイメージとして確認できるので人気です。加工はされていない状態でのお渡しですので、実際印刷して加工をすると印象が変わることもあります。納品先とは別にデザイナー様に直接送ることもできますので、基本情報記入画面で、校正の送付先をご指定ください(基本一箇所)。

・本機校正
実際の紙に、実際の印刷機を稼働しての印刷イメージのチェックができます。最も実物に近い印刷チェックですが、一枚のために版を作り、印刷機を稼働させる為大変高価です。加工については仕様に応じてできかねる場合もありますが、基本は加工付きでチェックすることができます。厳密に仕上がりを管理したい場合はご利用ください。

上記
国内外
仕様
加工
校正
の項目全てを選択して下さい

⑧インナースリーブ
レコードを包む内袋のことを指します。オーソドックスなのは無地の穴あき紙スリーブかショーレックスと呼ばれるビニール製の内袋です。この二つは無料でつけさせていただいています。TUFF VINYLでは近年大変人気の高い印刷されたインナースリーブを選択肢に入れています。歌詞カードを入れない代わりに、印刷されたインナースリーブにレコードを入れるという仕様のレコードのを最近よく目にするのではないでしょうか?小ロットでの制作の場合には高価になりますが、ゴージャス感はお約束します。国内製の印刷インナースリーブ をご選択いただけますと、ジャケット同様校正が可能です。

⑨帯
帯については12inchのみですが取り扱っています。海外作品の国内盤などについていたレコードのジャケットに付属する販促用のアイテムであったものが、レガシーな魅力で今も国内では大変人気のある仕様です。現状は海外製のみですが、需要に応じて国内も開拓する予定です。

⑩歌詞カード
レコードに封入されている歌詞カードです。こちらは海外製よりも国内製の方が価格が安いです。7inchの場合はジャケットなしで、こちらをフロントカードとして封入されているレコードも多いです。もしもご希望の方はジャケットをなしにして、歌詞カードをありに設定してください。

⑪DLカード
カードに記載されるURLに飛び、固有のIDを入れると、音源がダウンロードできるサービスです。近日サービスを公開する予定です。お急ぎの方は、ご自身で制作し封入することをお勧めいたします。価格は1枚100円ほどしますので高価です。海外のインディーズではBand Campなどのサービスを利用してDLコードを発行させて、印刷業者にて固有のIDが記載されたステッカーを貼り付けたDLカードが主流です。

⑫外装
完成したレコードを包む袋を選択することができます。選べるのは以下3つです。

・蓋なしPP
一枚一枚厚手のPP(ポリプロピレン)袋に入れて納品します。蓋なしなので、レコードが到着後、ご自身で封入物を追加していただく場合にも便利です。こちらは無料でおつけします。

・蓋つきPP
一枚一枚薄手の蓋つきセルパック袋に入れて、糊付けを行なって送付いたします。開閉部に糊がついていないので、取り出したレコードのジャケットに糊がつくことを避けることができるようになっています。CDショップで売られているCDをイメージしていただけたらと思います。そのまま販売したい方にお勧めです。

・シュリンク
一枚一枚伸縮性のPPに入れたレコードから空気を抜いて真空パックしたような見た目の包装です。紙ジャケのCDや海外の輸入レコードによく見られる仕様です。中古に出回る際にシュリンクが残っているものとそうでないもので価格が変わったりもする、今も昔も人気の包装です。海外では環境配慮の観点からシュリンクを廃する動きもありますが、レコードジャケットの保存と封切り感のあるシュリンクを好む人は非常に多いです。弊社プレス工場にて丁寧にシュリンクいたしますが、稀につなぎ目の部分にヨレが出たりすることもあります。

⑬アセンブリ
お客様の方で作成したステッカーや特典アイテムなどを一緒に梱包したい場合はこちらをお選びください。これまでDLカードや歌詞カード、ステッカーなどの封入や外装への貼り付けの実績があります。販売前にご自身で値札やバーコードシールなどを貼るのが面倒な場合は、こちらを選んでいただけましたら、送付先の住所をEメールでお伝えさせていただきます。シュリンク包装のものには後から封入物を追加するのが難しいと思いますので、封入物を自作される方で。シュリンクを希望される方は必ずこちらをご選択ください。

⑭配送先
製造費用に関わる重要な部分のため、お見積もりの段階で送料もお見積もりできるようになっています。
7inchは基本一箱に100枚が入ります。
12inchは基本一箱に30枚が入ります。
どちらも二枚組の場合は重量の関係上一箱に入る枚数が変動し、発送個数が増えると考えてください。
配送先は基本一箇所まで指定ができます。工場や店舗への直送も賜っておりますので、基本情報入力時に納品先をご指定ください。

⑮クーポン
TUFF VINYLのキャンペーンでクーポンを発行させていただくことがあります。トップページの右下部にクーポン用のお知らせが出てまいりますので、クーポンコードをクリップボードにコピーした状態でお見積もりいただき、最後にコードを入れて必ず「確認」を押してクーポンが認識されたのを確認してから進んでください。

⑯枚数の確定
最後に枚数を最終確認です。レコードは基本ロットが増えるほど、合計価格は大きくなりますが、単価は安くなっていきます。カウンターで枚数に応じた合計金額と、単価を見て妥当な価格を見つけてください。この仕様で進むを押すと、ログイン画面へと進み、登録を住んでいる方から基本情報の入力に進むことができます。この時点でお客様情報とお見積もりの紐づけがなされ、お見積もりは保存されいつでも続きから注文を開始することができます。支払いなどはもう少し先の工程ですのでご安心ください。

その後の流れ

(1)お客様情報の登録
お客様のお名前/メールアドレス/電話番号/ログインパスワード
を設定していただき、お見積もり情報を保存できるようにします。
※進行する際にEmailを送りますので、tuff.jpのドメインからのメールを受け取れるようにしておいてください。

(2)オーダーの基本情報
オーダー名(タイトル等)
品番(スタンパーに刻印するもの)
送付先(レコードの納品先/校正の送付先/テストプレスの送付先/テストラッカーの送付先)
備考(質問事項などがある場合)

(3)オーダー内容のご確認
お見積もり金額の一覧表示(クーポン割引分も含む)や注文の流れ、決済方法などをご確認いただけます。
その後フッダー部分で利用規約、プライバシーポリシーに同意するにチェックを入れてご注文を確定させてください。

以降入稿などの流れはまたこちらのブログにて書かせていただきます。

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